【新】サンタの仕事も楽じゃねぇ
「諸君、おはようサンタ」
すみやかに消えろと言いたくなる時代錯誤なギャグに場が凍り着く。
「これから私が君たちをプロのサンタに仕立て上げる」
仕立て上げる?
若干の違和感を感じつつも、目の前にはこの変なおっさんサンタと犬のように小さくてあまりおすすめしたくないトナカイしか目に入らないのでは信じるしか他に道は無い。
「お布施は持ってきたかな?」
ざわめきたつ場内にタクローが一喝した。
「このバカものめ! 今時タダで何かを教えてもらえるなんて思うんじゃねーぞ! 研修といえども有料研修だ。お布施の金額順に優良研修の甲乙をつける」
にたりと笑い、腕組みをして周りの反応を見る。
新サンタたちは皆一斉に話し合いを始めた。
こんな話は聞いたことがないぞ、サンタクロース振興協会は金を取るのか? とか、これは何かの詐欺まがいじゃないのか? など口々に言い合い始めた。