【新】サンタの仕事も楽じゃねぇ

 「まずは、声出しからだ」

 腰に手を当てた。新サンタもマネをして腰に手を当てる。

「トナカイ君よ、助手をひとつ頼むよ」一つ頷く。

「・・・本当にこれやるんですか?」

「つべこべ言わずにやれ! トナカイ鍋になりたいのかい?」

 トナカイは言いたい文句の一つもあるが我慢し、受け取ったメモを棒読みする。

『・・・今年のプレゼントは○○○が欲しいです。サンタさんお願いします』

 子供の役だ。

「はい、喜んで!」

タクローがすこぶる元気に挨拶をした。新サンタもマネをして挨拶をする。その顔には幾分かの疑いの余地があるが、ひとまずまた無視。

「請求書は枕元に置いておきます」

 ざわめきたつ新サンタを無視し、続ける。


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