【新】サンタの仕事も楽じゃねぇ
『えー、お金がかかるんですかー』棒読みのトナカイはやる気が無い。
「勿論です。でも大丈夫、お金が無い場合はクレジットで分割も可能」
『今まではこんなことなかったでーす』
「大丈夫、すぐに慣れます」
こんなサンタクロース聞いたことが無い!と新サンタからブーイングが出始める。
ドンに話を聞きたいから会わせろと言い出す新サンタが続出し始めた頃、タクローが口角を上げて笑みを見せた。
「おいおい、いいのかなそんなこと言って。これはドンに頼まれてやっていることだと理解しているかね? この研修に歯向かうことになると、もうサンタの道は無いに等しいなぁ~」
にやける顔にはドルマーク。
何も言えない新サンタは言われた通りの金額を払うかサンタを諦めるかのどちらかだ。
サンタクロースになるという夢が捨てきれない皆様方カモられそうになっているサンタは、一人また一人とがま口に手を伸ばす。
お金を払った者には後日パンフレットを送る、はい撤収! と、お金をしっかり受け取った後に言ったタクローはそのままトナカイと共に壇上を素早く後にした。
消えた一人と一匹(小さいため)を追いかけようと壇上によじ登る怒り狂った新サンタは行方をくらました方へ向かうが、既にそこには誰もいなかった。