【新】サンタの仕事も楽じゃねぇ

「おいこら。巻き上げた金でカジノとはいい身分だなぁや」




 ドン・サンタが葉巻をくゆらせ座り心地の良さそうな椅子にどっかりと座っていた。



「この310万は返してもらうからなぁ」

 タクローの手元にあったはずの金は、ドンの手元にしっかりとおさまっていた。


「え? まさかのいかさまですか!」


 自分のことは棚上げでドンに詰め寄ったタクローはあえなく撃沈されることになった。



「お前らは何回言ってもわからねーらしいからよ、俺が別に居場所を用意してやったから、そこで一ヶ月過ごせ」

「まだGWを満喫したいんですが、その310万のうち少しでもいいから貸してはもらえませんかね」

「お前は本当にとんでもないアホなんだな」


 行け。


 顎でしゃくって外を指したそこにはドンの立派なトナカイが悠然と立ち、トナカイとタクローを細い目で見ていた。


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