【新】サンタの仕事も楽じゃねぇ
「例の場所へ連れてけ」
ドンが一言そう言うと、立派なトナカイはタクローと秋田犬のようなトナカイを乗っけて(イヤイヤながら)旅だった。
タクローの問いかけには一切応じず、感じの悪いトナカイ風味を前面に押し出してきた。
ドンはあらかじめスイスサンタに言付けし、タクローの後をつけさせ、カジノにも根回しをしていた。
カジノのおねぇちゃんが押したボタンは、タクローが来たら教えて欲しいと言ったドンの部屋へ通じているものだった。
ようは、最初から負けるということは決まっていたということだ。
そんなことは微塵も感じていなかったタクローは、結局は残念なことになった。
タクローとトナカイは韓国上空をドン・サンタの立派なトナカイが引くソリに乗ってどこまでも高く上昇して行った。
次回に続くことにしよう。