【新】サンタの仕事も楽じゃねぇ

長々と居座ったタクローとトナカイは、まりちゃんに料理を作ってもらい、酒をジュースを注いでもらい、学校の話や仕事の話、友達の話に恋話、サンタクロースの裏話などをタクローが持参してきたアタリメと共につらつらと話した。



さりとて何をしにきたのか本末転倒。宴もたけなわ。



「そろそろ帰らないとドンの手下が探しにきますよタクローさん」

「もうそんな時間か。スイスサンタが来たらクソめんどくせーからか、名残惜しいがそろそろおいとまするか」

「え。もう少しゆっくりしていってくれても……「そうかい? そこまで言うなら仕方ねえわな。泊まってってやるよ」

間髪入れずタクローはまりちゃんのことばに被せた。

「いや、その、泊まっていくのはちょっと……」

「照れるな照れるな、気にしなさんな」

「いや、そういう問題じゃ……」

斜めに話が流れているタクローの頭の中はまたしても自己中な考えがふわついている。


「タクローさん、まりちゃん困ってるじゃないですか」

やんわりとトナカイがタクローをいなし、帰り支度の準備を始めた。

タクローはといえば手当たり次第にまりちゃんちに綺麗に飾られている小物をその懐に忍び込ませ、




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