【新】サンタの仕事も楽じゃねぇ
タクローとトナカイはまりちゃんに呼ばれもしないのに勝手に遊びに来て勝手に食いまくり、
勝手に小物を持ち出そうとして失敗し、そろそろお腹もいっぱいになったのでこれまた勝手に御暇(おいとま)しようとしていた。
「それじゃ、クリスマスの夜にまた来ますので」
トナカイが可愛らしい笑みを見せた。本当に名残惜しいいらしい。まだ居たいという雰囲気がプンプンする。
「おう。夜中に忍び込むからな。それまでいい子で待ってれ」
ゲフフフフと汚い笑みを見せたのはタクロー。こんなイカサマサンタ、見たことがない。
とはいえ、そろそろ夜も遅い。キラキラ光る夜空の星よ。お星さまキラキラ金銀ほにゃららだ。
まりちゃんはといえば、藍色の空を駆け上がるトナカイとその背中にまたがったタクローが小さくなって夜空の星と同じくらいの小ささになるまで見送り、すっかり見えなくなったところで振っていた手をおろした。
玄関を開けると、