転がる消しゴム [短]
「ありがとう!
消しゴムどっか無くしちゃって。」
しばらくすると私の消しゴムは
さらに小さくなって帰ってきた。
誰にも触らないようにしていた消しゴムは、
好きな人に触れて帰ってきた。
「いや、どういたしまして…」
私は動揺していた。
「あ、これ相田が描いたの?
すげー上手いじゃん!」
「あ、ありがとう。」
「頑張ろうな!文化祭。」
藤崎君は笑いながら戻っていった。
私は顔を真っ赤にしながら
帰ってきた消しゴムを握り締めていた。