徹底的にクールな男達
必然的な結果
(4/4)
♦
何もしたくなかった。
食べることも、寝ることも、考えることも、息をすることも。
ましてや、米を炊いて、ナスの味噌汁を作り、送り出してから掃除と洗濯をし、帰りを待ちながらクリーム少な目のケーキを作って、一緒に寝ることなど。
嫌だった。
とにかく、全部嫌だった。
早く、ここから出て行きたかった。
武之内が所有する、マンションから。
かといって以前住んでいた、既に引き払ったアパートに戻ることはできない。
私は、何も失くした私は、どこにも行くことができなかった。
「依子……?」
武之内は時々部屋を覗く。だけれども、顔なんて見たくない。話しかけてなんかほしくない。
私は顔も上げず、ただダブルベッドに伏せって顔を隠した。
そして、何も言わずにドアを閉めて行く。
こんな、こんな生活……。
考えれば考えるほど震え、涙が出た。
何故あの時、武之内を選んだりしたのだろう。
何故あの時、武之内のことを少しでも信じたりしたのだろう。
何故あの時、後藤田を選ばなかったのだろう。
後藤田を選んでいれば、こんな事にはならなかったはず。
例え同じ目になっていたとしても、何もかもが違っていたはず。
目元は腫れ、喉は痛かった。
病院から帰宅してから1日半、ほぼ何も食べていなかった。
お風呂にも入っていなかった。
泣くか寝るか、それ以外考えれなかった。
もちろん武之内はそんな私を置いて仕事へ行った。
どんな風に仕事をしているかは容易に想像がつく。
いつもの、冷たい顔で、狡猾に冷徹に物事を進めていくのだろう。
そういう所が耐えられない。
合理的で現実的で、私の事なんか完全に否定している、その様が許せない!!
そう、だから……。
私は電話をする。
「迷ったらかけてこい」
だって仕方ないじゃん。
まだ結婚してるけど、もうそんな関係じゃないじゃん。
どうせ離婚するに決まってるじゃん。
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何もしたくなかった。
食べることも、寝ることも、考えることも、息をすることも。
ましてや、米を炊いて、ナスの味噌汁を作り、送り出してから掃除と洗濯をし、帰りを待ちながらクリーム少な目のケーキを作って、一緒に寝ることなど。
嫌だった。
とにかく、全部嫌だった。
早く、ここから出て行きたかった。
武之内が所有する、マンションから。
かといって以前住んでいた、既に引き払ったアパートに戻ることはできない。
私は、何も失くした私は、どこにも行くことができなかった。
「依子……?」
武之内は時々部屋を覗く。だけれども、顔なんて見たくない。話しかけてなんかほしくない。
私は顔も上げず、ただダブルベッドに伏せって顔を隠した。
そして、何も言わずにドアを閉めて行く。
こんな、こんな生活……。
考えれば考えるほど震え、涙が出た。
何故あの時、武之内を選んだりしたのだろう。
何故あの時、武之内のことを少しでも信じたりしたのだろう。
何故あの時、後藤田を選ばなかったのだろう。
後藤田を選んでいれば、こんな事にはならなかったはず。
例え同じ目になっていたとしても、何もかもが違っていたはず。
目元は腫れ、喉は痛かった。
病院から帰宅してから1日半、ほぼ何も食べていなかった。
お風呂にも入っていなかった。
泣くか寝るか、それ以外考えれなかった。
もちろん武之内はそんな私を置いて仕事へ行った。
どんな風に仕事をしているかは容易に想像がつく。
いつもの、冷たい顔で、狡猾に冷徹に物事を進めていくのだろう。
そういう所が耐えられない。
合理的で現実的で、私の事なんか完全に否定している、その様が許せない!!
そう、だから……。
私は電話をする。
「迷ったらかけてこい」
だって仕方ないじゃん。
まだ結婚してるけど、もうそんな関係じゃないじゃん。
どうせ離婚するに決まってるじゃん。