甘い囁きは耳元で。
声
一番最初に思ったのは
「穏やかな声」
電話口で聞いた声を思い出した。
「鈴木さん」
小さく、目の前の彼を呼ぶとゆっくり手元から顔を上げた。
失礼かもしれないけど、男らしい彼に似合わない長いまつげがなんとなく可愛いな、そう思える。
「いつまでも、苗字で呼ばないようにって言っただろ」
困ったように下がった眉。
同じように下がっているタレ目のせいか、彼は年齢よりも幼く見える。
私と彼は9歳、離れていて。
彼はもう30も半ばの男盛りなのに。
「だって、慣れないんだもん」
友達?先輩後輩?
そんな曖昧な期間があった私たちは恋人になってまだ数日。
そんな対応力のない私は未だに彼を苗字で呼び、それを面白くなく感じる彼。
「穏やかな声」
電話口で聞いた声を思い出した。
「鈴木さん」
小さく、目の前の彼を呼ぶとゆっくり手元から顔を上げた。
失礼かもしれないけど、男らしい彼に似合わない長いまつげがなんとなく可愛いな、そう思える。
「いつまでも、苗字で呼ばないようにって言っただろ」
困ったように下がった眉。
同じように下がっているタレ目のせいか、彼は年齢よりも幼く見える。
私と彼は9歳、離れていて。
彼はもう30も半ばの男盛りなのに。
「だって、慣れないんだもん」
友達?先輩後輩?
そんな曖昧な期間があった私たちは恋人になってまだ数日。
そんな対応力のない私は未だに彼を苗字で呼び、それを面白くなく感じる彼。
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