蒸発島
友達と楽しく話をしている時、この子ともっと仲良くなりたいと胸を高ぶらせていた。その時はまだ小学生で……テストの結果が悪くても誰も騒いだりしなかった。私は――殺伐とした関係が嫌で、テストの点や、テスト前に真面目に勉強をする子が嫌いで
――、
(それは自分だけ置いていかれているような気がしたから……。勉強をしたくない言い訳に、そうやって友達を使って、逃げていた)
私はもともと頭が良くなかった。けれど、良くなりたいとも思わなかった。そして、競争意識もプライドも、大して無かった。
別に、人より飛び抜けたくはない。ただ、置いていかれたくないだけなんだ。
それ故の受験、それ故の学校。「私のため」の行動の割には、意味も自由もない退屈なものだ。
一体何のために? 私は私でありながら、私という自分の殻に籠りながら、他人というぬるま湯を探している。