蒸発島
自分である意味が無い。けれど、自分が好きで、大事で、
(何よりも優先するのは自分であって、他人でもある――)
矛盾だらけなのだ。それでもどうすることもできなくて、学校に通う。人並みに勉強をする。けれど頭には入ってこない。やる気の無い私が、勉強で成果を出せるわけも無く……やはり、勉強をしても、しなくても、他人に混ざりたい私はいつだって置いていかれているのだ。
私というのは、どこからが私なのだろう。
どこまでを他人と共用したいのだろう。
苦しくて、逃げ出したくて、それでも逃げなかったのは、一体どうして――?
塾の帰り、勉強をたくさんして、憂鬱で、月明かりが照らす夜道を、参考書でいっぱいになった鞄を肩にかけ重たそうに持つ、そんな時でさえ…………私は、明日も人並みから離れず無事皆についていけるだろうかという心配をして……。