蒸発島

 私を包む空気だけ、時間の流れが遅いのだろうか? 
 何故瑠璃は急に現れて、急に消えてしまったのか……私には検討もつかなかった。

 後、彼女の言っていた「本当の能力」というのは一体――?それに、
(あの青い死体は結局何だったのか、分からずじまい――か)

 もやもやとした気持ちが体中を巡る。
 しかし、瑠璃は蒸発島で会った初めての人(死人?)だ。今はここに私以外の人も居ると分かっただけでも、良しとしよう。

 再び、二藍を探すために歩き出した。

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