体操座りと救世主
翌日。
「行ってきまーす。」
俺は朝から戸上の家に出かけるために靴を履く。
「文太ー。どこ行くんよ。」
じいちゃんが起きてきた。
「ちょっと…本当の愛を探しにね。」
かっこよくキメてみる。
「愛?文太も愛とか言っとんのか。」
「…『も』?」
俺以外にも愛とか言ってるやつがいるのか。
「旅行行ったときにな、ほら、龍の置き物お土産にあげたやろ?」
「おん。」
邪魔なあれか。
「あれな、実は買ったんじゃなくてもらったんよ。」
「…へ?」
「神社の神主さんだったかなあ。もろたんよ。」
衝撃の事実。つーかあの置き物けっこういい品っぽかったぞ。高そうだった。