体操座りと救世主
「なんで?」
「なんかな、神主さんが、ワシの近くに本物の愛がいるから、この置物を授けるって。その愛が、救世主となるって言っとって、訳わからんまま受け取ったわ。」
「…は?」
本物の愛。龍の置物。愛と龍。偶然にしては揃ってる。
「その神主さん、愛はじいちゃんの近くにあるって言ってたの!?」
「『ある』じゃなくて、『いる』って言っとったぞ。」
「…いる?いるってことは、愛ってのは、人の名前?」
「んー、そうかもしれんな。」
名前だったのか!そんな考えなかった!
「じいちゃんありがとう!」
「え?」
「友達を助けられるかもしれない!」
俺は戸上の家に向かった。