体操座りと救世主
「戸上!」
「あ、タケくんおはよう。」
出てきたのは歯磨きをしている幸成くん。
「おはよう。兄ちゃんは?」
「まだ寝てるんじゃね?部屋行ってええよー。」
「お邪魔します。」
夏休み中、週3くらいで通ってたら、俺が来るのが当たり前かのように迎えてくれる戸上家。
「戸上ー!起きてー!」
「んー…」
最近、戸上は眠りが深くなったようだ。
ゴツゴツした腕を引っ張り上げる。
「痛てー。」
「あ、ごめん。」
引っ張りすぎたみたいだ。