体操座りと救世主
「幸成くん、ごめんやけど俺明日用事あるけん一緒に行けんわー。」
「えー。つまらんー。」
「悪いな。」
「えー。行こうやー。タケくんも行こうやー。」
「幸成、駄々こねんな。ごめんなタケ。」
「ううん。幸成くん誘ってくれてありがとうなー。戸上、愛がどこにおるかわかったらええな。」
「おん。ありがとう。」
「ついでに家族水入らずで観光とかしてきたら?なかなかゆっくりできんやろ?」
戸上は照れたように笑うと、頷いて車に乗り込んだ。
「じゃあタケくん、お土産買ってくるなー。」
「ははっ。ありがとー。」
戸上家の車を見送った。