体操座りと救世主

「子どもできたから結婚したっていう形になったけど、子どもできんくても、いずれ果歩と結婚しとったよ俺は。」

「ヒロくん…」

「バイト先にも大学にも、果歩よりええ女なんかおらんわ。果歩がそんなこと考えとるんやったら俺今すぐホストも大学もやめる。」

「え、それは、」

「それにな、子どもが俺らをつなぎとめる理由になってたんやったら、今も十分つなぎとめられとるやろ。ちゃんと俺らの子は天国におる。」

「…」

「名前やって決めたやん。翔大やろ。名前まで決めとるんで?俺らの愛の結晶は存在するよ。」

果歩さんは泣き出した。

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