体操座りと救世主
12、大丈夫
夜、そろそろ寝ようと布団に入ると、ケータイが光った。
画面を見ると、戸上からのメール。
急いで開くと、内容はあまりいいものではなかった。
『龍守神社の例の神主さん、いなかった。つい最近、失踪したんだって。龍について知ってる人は誰もいなくて、何の情報もなかった。』
文面からも伝わる落胆。
『あと、夏休みが終わるまで、こっちで過ごそうと思う。来てもおらんから。』
残りの夏休みは家族でゆっくり過ごすのか。
いいことだと思う反面、もしかしたら戸上の家族はみんな諦めてるのではないかと感じた。
もし、愛が見つからなかったら、戸上にとっては最後の夏休みになる。家族はある程度、それを覚悟しているのではないだろうか。