体操座りと救世主
俺は戸上に電話した。
『もしもし。』
「戸上?神主さんおらんかったん?」
『…おん。タケのじいちゃんが旅行に行った2日後に急におらんなったんやって。』
「そっか…。」
『タケ、俺が死ぬまで、ずっと友達でおってな。』
「…戸上は死なんよ。」
『もうええよ。わかっとる。多分、愛なんか見つからん。』
「アホ!そんなん言うなや!諦めたら見つかるもんも見つからんやろ!」
『お前に俺の気持ちなんかわからんやろ!』
「っ!」
『…ごめん。じゃあ、また新学期に学校でな。おやすみ。』
戸上はそう言うと、電話を切った。
なんとしてでも愛を見つけよう。
救世主を見つけて戸上を助けよう。
戸上に生きてほしい。
俺は、戸上と生きたい。