体操座りと救世主
「タケさん、戸上、何しおるの?」
「いや別に!」
俺は戸上の襟元を慌てて隠した。
「そうそう。俺な、手相見れるようになったんよ。」
のん気にヘラヘラと笑いながら言うヨネ。
「まじで?嘘やろ。」
「ほんとやって!ヒロくん見てあげるけん手出してみ!」
「嫌やん。タケ、ヨネに手を差し出せ。」
「なんよその言い方はー。」
半信半疑でヨネに手のひらを見せた。
「おお!タケさん!守護霊ついとる!」
「は?」
「ここのこれ、ほら、これ守られとる手相やって。」
「…へえ。」
「信じてないやろ。」
「ちょっとだけ信じてるよ。」
「ちょっとだけて!」
ヨネはツッコミながら、今度は戸上の腕をとった。