体操座りと救世主
「あの人はやはりお前と近しい人間だったか。」
「なんでわかったんですか?」
「お前の気配を感じた。あと、龍の強いオーラも。」
…なんとまあ、スピリチュアルな…
「だからわしはお前のじいさんに龍の置物を渡した。あれには気が含められておるから、愛はすぐに気づいてくれると思ったが、音沙汰ないから、わしがこちらに来たのじゃ。」
「なんか…すみません。」
「いや、記憶がないのなら仕方ない。わしもイチかバチかで託したし。」
こんな話、以前の俺なら信じてなかったが、戸上がいるから信じざるを得ない。
「お前が、その友達に出会えたのも、興味をもって近付いたのも運命なのじゃろう。限りなく奇跡に近い運命じゃ。」
「あの、おじいさん、戸上…その友達を助けたいんですが、どうしたらいいか知りませんか?」