体操座りと救世主

翌日。

午後6時に駅で待ち合わせになった。

誠さんは仕事終わりに駆けつけてくれるらしい。ありがたい。

ただいま、5時55分。

まだおじいさんも誠さんも来ていない。

誠さんはどんな人なのだろう。俺のイメージでは、カチッとスーツを着こなすかっこいい人。

今まさにそのような人が、2メートルくらい離れたところで腕時計を見ながらキョロキョロしている。

もしかして、彼が誠さんだろうか。

「あの…」

「え、はい?」

「誠さんですか?」

「は?」

「あ、すみません。間違えました。」

普通に人違いだったらしい。はずい。なんで声かけたんだ俺。

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