体操座りと救世主

「俺、竹崎。よろしくな。これが米本で、こっちが中山。寝てるけど。」

「…あ、俺は戸上。」

初めてまともに声を聞いたかもしれない。低めの男らしい声。

「あのさ、申し訳ないんだけど、2人こんなだし、俺ケータイいじっとったから話聞いてなかったんだけど、何やんの?」

「あ、これ…話し合えって。」

戸上がルーズリーフを見せてくれた。

とてもまとまっていて見やすい。バカな俺でもわかりやすいと感じるのだ。教科書よりも見やすい。

「戸上すげーなあ。真面目に授業聞いてんだなー。」

戸上は、ふはっと笑った。

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