体操座りと救世主
「戸上の体見たら信じるしかないやろ…」
「…うん。」
「ごめんな、何も知らんと文ちゃんばっかり責めて。」
「いや、しゃあないよ。俺もごめんな、ほっぺ痛かったやろ?」
「俺は強いけん、全然痛ないわ。」
雅也はへへっと笑った。
「…戸上にも悪いことしたな。」
「戸上なんか言ってた?」
「…もうすぐタイムリミットが来るから、それまで待ってくれって。じきに自分は…死ぬからって。」
「…は、」
なんだそれ。戸上は死ぬつもりなのか?まだわからないのに、もう諦めてるのか?
「泣きそうに笑うんよ戸上。見てられんくて、とりあえず謝ってそのまま俺は帰ってきたんやけど。」
早く、早く戸上を助けないと、体だけじゃなくて心もズタズタになる。
「文ちゃん、俺も協力するから、戸上を助けて。」
「うん。」
「その代わり、戸上の呪いが解けたら、俺といっぱい遊んでな。」
「ふふ。わかった。」