体操座りと救世主
半年前。大学の入学式。
人見知りのマナは縮こまって座っていた。
「谷川…アイちゃん?」
「へ?」
「よろしくな!俺、竹崎文太いうんよ。」
隣の席に座った男の子は、満面の笑みでマナに話しかけてきた。
その瞬間、マナに電気のような衝撃が走った。
「どこ高出身なん?」
「あ…私、県外やから…」
「そうなんや。じゃあ一人暮らし?すごいなあ。」
文太の存在に胸が高鳴る。
マナはこれが恋だと思った。
運命の出会いだと舞い上がり、名前を訂正することも忘れていた。