体操座りと救世主

梨香さんや神主さんに連絡して聞いてみたが、2人とも龍の名前については何も知らなかった。

「…ほんとに俺しかわからんのか。」

「まあタケくんもわかってないけどね。」

「…」

「大丈夫だよ!そのうち思い出せるって!」

「…戸上には時間がないんよ。」

「…」

そのうちなんて悠長なことは言ってられない。

やっと答えが見つかったと思ったのに。また見えなくなってしまった。

頼れるのは俺の記憶だけ。何も思い出せない自分の脳みそに、不安と焦りを感じた。

俺は救世主になんてなれるのか。

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