体操座りと救世主

「愛なんてどこ探してもおらんし、」

「…」

「助けて。助けてタケ、お願い、死にたくないよ俺、」

泣いている戸上。

自分の無力さが嫌になる。

「ごめん、ごめんな戸上。ごめん、」

戸上を抱き締めた。

「戸上、絶対俺が助ける。もうちょっと待って。思い出すから、絶対に。」

「…思い出す?」

「龍の名前。絶対思い出すから。」

「どういうこと…」

「…本物の愛は俺なんよ。」

「「「へ、」」」

「…え。」

いつの間にかヨネとナカヤンも扉の前にいた。

「なんでお前ら、」

「タケと戸上が教室出てったからついてきたんやけど…」

「タケさんが愛って…」

「…俺の前世は愛なんよ。つまり龍の呪いを解くキーパーソンは俺。」

「「「ええー!?」」」

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