体操座りと救世主

「え、ちょ待ってや、タケが愛…?」

ヨネもナカヤンも驚きを隠せないようだ。

そして戸上も、ビックリしすぎて涙が引っ込んでいる。

「そうなんよ。龍守神社の神主さんに出会ってな、神主さんは前世が愛の父親やったんやって。」

「じゃあ戸上は助かるやん!」

「タケ、なんで黙っとったん?なんで教えてくれんかったん?俺の救世主はやっぱりタケやったんやん。」

「でも、タケさんが本物の愛やったら、とっくに呪いは解けとるんやないの?なんで戸上は…」

「…俺は救世主になれるかわからん。」

「へ?」

「呪いを解く方法が思い出せんの。」

「え、どういう、」

「前世の記憶がないから、どうやったら呪いが解けるかわからん。その方法がわからん限り、戸上を助けれん。…やから黙っとったんよ。これ以上戸上を期待させて突き落としたくなかった。」

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