体操座りと救世主

戸上は、俺が愛だとカミングアウトしてからの方が明るくなった。

こんなに名前を読み上げて答えが出ないのに、不安そうな顔をすることはなくなった。

「あーもう!なんで出てこんの!どんな名前つけたんよ愛…」

焦っているのはむしろ俺の方だった。手がかりが無さすぎる。せめて何かヒントが欲しい。

不安を抱えたまま今日も布団に入る。

明日こそ、龍の名前を思い出せますように。

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