体操座りと救世主

「ほんとや…」

「タケ、俺は大丈夫やから、そんな顔せんでよ。」

戸上は俺の顔に手を伸ばして眉毛を上げた。

「垂れ眉なっとる。」

「…」

「愛はさ、龍のすべてなんやと思う。」

「へ?」

「龍にとって、愛は人生そのものなんやろな。人やないから龍生?わからんけど。」

「…」

「俺も龍と似たようなもんよ。俺にとって、タケはすべてなんよ。」

「は、」

「タケが笑ってくれとったら俺の世界は輝くから。やからもう、なんも考えんと笑ってよ。俺が死ぬ間際まで笑ってそばにおってよ。」

そんなん…

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