体操座りと救世主

「…タケ、俺は諦めんでもいいんかな。」

「いいに決まっとる!むしろ諦めんとって!諦めたらしばく!」

「なんそれ。」

戸上が笑っていると、戸上のじいちゃんが入ってきた。

「俊介、誰一人として諦めてないぞ。俊介の周りの人間、誰も諦めてない。祖先の頃からずっと呪いに苦しんできて、やっと一番近い答えにたどり着いたんじゃ。ここで諦めてたまるか。」

「じいちゃん…」

「俊介。」

「盗み聞きしてたの?」

「人聞きの悪い!聞こえたんじゃ!」

必死に首を振る戸上のじいちゃんが面白かった。

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