体操座りと救世主

戸上は学校に来れなくなった。

代わりに俺らが毎日戸上の家を訪ねた。

「なんなんやろなほんと。龍の名前。」

「タケはよ思い出せやボケ。」

「ボケて!ナカヤンひどい!」

「神様も残酷よな。よりによってタケに戸上の運命託すなんざ。」

「ちょっとそれどういう意味よ。」

「そのままの意味よ。」

「ほんとなー。タケさんアホやもんな。」

「アホちゃう!」

「あ、そうか、アホっぽいだけか。」

「ヨネしばく。」

ナカヤンとヨネはバイトまでの時間、俺に付き合って戸上の家に来てくれる。

< 213 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop