体操座りと救世主
俺は戸上の家に泊まることが多くなった。
布団を並べて敷いて寝ている。
「うちん家で友達がお泊まりするなんて今までなかったけん、めっちゃわくわくするわ」と戸上は悠長なことを言っていた。
満月の夜、電気を消してもとても明るい。
部屋に入ってきた月明かりに照らされる戸上の肌は綺麗に光っていた。
「戸上綺麗やなあ。エメラルドみたい。」
「エメラルド?」
「おん。鱗が月明かりに照らされて、すごい綺麗な光になっとる。」
「なんか恥ずかしいなあ。宝石に例えられるとか。ありがとう。」
エメラルド…宝石…あれ、なんか思い出せそう。ん?なんだこの感覚。