体操座りと救世主

『お父さんからもらった龍の置物、あれを見ればわかるわ。』

龍の置物…じいちゃんが神主さんからもらってきたあれか。

「何度も見てるよ。」

『表面だけじゃだめよ。ちゃんと本質を見なきゃ。』

「え、どういう…」

『大丈夫。文太は私だもん。わかるよ。』

「な、ちょっと待ってや愛!」

『あの子を助けてあげて。あなたの友達も助けてあげて。それから私も、助けて。』

愛は困ったような笑顔で消えた。

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