体操座りと救世主
雪は積もり始めていたがなんとかまだ電車は動いていて、授業が終わると俺は真っ先に戸上の家に向かった。
「こんにちはー。戸上ー。」
玄関を開けて叫んでも返事はない。
「あれ、…おじゃましまーす。」
靴を脱いで勝手に上がり込んだ。
「戸上ー。…戸上!?」
部屋に行くと、布団の上でとても苦しそうにしている戸上。
「戸上どしたん!?大丈夫!?」
「あ…タケや…いらっしゃい…」
戸上は笑顔を作っている。
「どしたん、しんどそうやん。」
「背中が痛くて…息が…苦しい…」
「それは…呪いのやつ?」
「…たぶん。…じいちゃんが今お医者さん迎えに行っとる…」
「そうなん…」
俺は戸上の背中をさすることしかできない。