体操座りと救世主
「文太。ここだけ色が変わってないぞ。」
じいちゃんが指すところを見ると、緑色の文字が浮き出ている。
「なんこれ…読めん。」
『翠玉』と書いてある。みどりたま?なんて読むのこれ。
「『すいぎょく』かの?」
「すいぎょく?」
「エメラルドの和名じゃ。翠玉。」
「すい…ぎょく…」
すいぎょく。なんだか懐かしい響き。懐かしくて、愛しくて…。
「すいぎょくだ!龍の名前!翠玉!」
「は?」
俺はすべてを思い出した。