体操座りと救世主

「ありがとう、タケくん。これで俊介は普通の人間としてあの世にいける。」

「…やん。」

「え?」

「意味ないやん!俺は戸上を助けたかった!龍の呪いうんぬんやなくて、戸上ともっと生きたかった!」

「…」

「呪いが消えても戸上が死ぬんやったら意味ないやん…」

「タケくん、タケくんのおかげで俊介は最期は人間として、」

「最期なんか知らん!人間としての最期なんかいらんかった!龍としての未来でも良かった!未来があるなら、戸上がどんな見てくれでも良かったんに!」

自分の無力さに腹が立つ。

「…ごめんなさい。」

俺はそのまま家に帰った。

< 247 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop