体操座りと救世主

3限目の講義、いつも通り一番後ろを陣取っていると、隣に誰か座ってきた。

「タケくん!」

「あれー。愛ちゃんやんー。どしたんー?」

出席順で隣だったため大学で初めに友達になった谷川愛ちゃん。

距離を詰めて小声で話しかけてくる愛ちゃん。

「さっき、学食で王子の横座ってたやんか!なんで?」

戸上の方をチラリと見る。

「なんでって…そこしか空いてなかったら」

「王子の横には座らんのがこの学校の暗黙のルールやんか!」

「へえ?」

そんなルール知らない。

「そんなん聞いたことないよ。」

「やから暗黙のルールやって。」

「なんそれー。」

思わず笑ってしまった。

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