体操座りと救世主

「龍の呪いさえなければ戸上は普通に生きられるはずやったのにって思ったら龍が憎くなって…」

「俺は助かったから、龍のこと許してやってな?」

「おん。」

「龍、すごい必死やったよ。愛に嫌われたくない一心で、俺を助けてくれた。」

「…おん。」

「龍が必死になる気持ちちょっとわかるわ。」

「え?」

「俺もタケに嫌われたら怖い。必死になってその原因取り除くわ。」

「…嫌いにならんよ。」

「…うん。」

「戸上が生きとるならいい。もうなんでもいい。」

「ありがとうな、タケ。」

翠玉、嫌いなんて言ってごめん。戸上を助けてくれてありがとう。

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