体操座りと救世主
「そう、良かった。」
後ろを振り返り愛ちゃんを見ると、にこりと笑った。
「タケくん、前向いて歩かんと危ないよ。」
「あー大丈夫大丈夫、う、わっ!」
段差につまずいた。とっさに足を出すが間に合わない。
手に持っていたカップ麺はひっくり返った。
「あつっ!」
「うあっ!ごめん!」
ラーメンのスープが、戸上の腕にかかってしまった。
「もう何やっとんのタケくん!」
「ごめん戸上!はよ冷やそ!」
長袖のトレーナーをめくると、目に入ったのは。
「え、」
「っ触んな!」
肌色ではなく、緑色の肌。
しかも、鱗のようにごつごつしていた。