体操座りと救世主
4、不安と恐怖
戸上の腕は、確かに緑だった。鮮やかな緑だった。
手首から上が硬くて鱗のようで、人の腕ではない。
まるで、怪物のような。
もしかしたらそういう病気なのかもしれない。
そうだとすると、戸上の今までの行動はつじつまが合う。
長袖を着ていたのは、あの肌を隠すため。人を避けるようにコソコソしていたのは病気を知られたくなかったから。
話してみたら、人間が嫌いというわけではなさそうだったし。
そういうことだったのか。
あの肌のせいで、たくさん悩んで、苦しんでいたのだろう。
だったら俺はものすごく悪いことをしたのではないだろうか。
謝らなきゃ。