体操座りと救世主
「…からっ。」
「学食のカレーって辛いやん。なんでそれにしたんよ文ちゃん。」
ピリピリする舌に眉をひそめながら、水を飲んだ。
「そうだ。タケちゃん、モテ期到来やない?」
「は?」
「そうそう。さっき同じ授業の女子に聞かれたんよ。いつも学食で一緒に食べてる男の子は誰だ、って。」
「へ?」
「それもひとりやないんで。」
「文ちゃんのこと気になっとんやないかなー?モテモテやんー。」
ニヤニヤしてる雅也と日野。
もしかしたら、愛ちゃんが言ってたあれだろうか。残念ながらモテるのは俺じゃなくて戸上だ。