体操座りと救世主


講義終わり、俺は日野に書いてもらった地図を見ながら戸上の家を目指した。

「どこだー?」

正直このあたりの土地勘はない。

やっぱり日野について来てもらったら良かっただろうか。

「あのー、すみません。」

ベンチに座っていたおじいさんに聞いてみた。

「戸上さんの家ってわかります?この辺にあるはずなんですけど。」

「どの戸上家?」

「戸上俊介くんのいる家なんですけど。」

「それうちじゃ。」

「えっ。」

「俊介とはどんな関係じゃ。」

「大学の友達です。」

「友達…。」

おじいさんは黙った。

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