体操座りと救世主
5、龍の呪い
「あの…」
「まあ座れ。」
「…はい。」
有無を言わさぬ面持ち。
「失礼します。」
メイドさんがお茶を持ってきた。
「あ、ありがとうございます。」
「君の名前は?」
「名乗るの忘れてましたね、すみません。竹崎文太といいます。」
「そうか、文太くんか。早速本題だが、文太くんは俊介の皮膚のこと知ってるんだろう?」
「え、あ、昨日俺がカップ麺ひっくり返して俊介くんの腕にかけちゃって…」
「俊介。」
「…。」
戸上は無言でトレーナーを脱いだ。
左腕と左胸、それから背中全体が緑の鱗で覆われていた。
「あと、左のふくらはぎと、右の太もも。」
「病気…?」
「違う。呪いじゃ。」
「へ?」
呪い…?は?呪い?いやいやいや。
「え、あの、」
「龍の呪いじゃ。」
「…はあ。」
理解できなくて曖昧に相づちを打つ。