体操座りと救世主

「俊介、」

「俺さ、二十歳になる前に殺されるんよね。」

「…は?」

「俊介!それは愛が見つからんかったときやろ!」

「もう見つからんよ!」

戸上が声を荒げる。

「二十歳って、どういうこと?」

「全身が鱗で覆われるんがだいたい二十歳。でもその前に、自我を失い始める。自分をコントロールできなくなる。」

「え…」

「そうなったら強い薬で落ち着くしかない。そのまま、昏睡して死ぬ。」

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