体操座りと救世主
「なあー。龍は曖昧な遺言残してったやん。愛ってすげー曖昧やん?曖昧な表現て遺言として成立すんの?」
「…んー、まあ成立しとるからな。」
「でもさ、そんな抽象的な言葉やなくて、人を心から愛せ、とか、セックスしろ、とか、具体的に示してくれたらええやんなー。」
俺がそう言うと、戸上は吹き出した。
「お前、セックスとか、」
「これはナカヤンの意見やけどな。案外正解だったりして。」
「…それやったら確実俺死ぬわ。」
「なっ!希望捨てんな!」
「無理やもん!」
顔を真っ赤にする戸上。童貞発覚。そらそうか。今まで親族にしか体を見せたことがなかったのだから。