体操座りと救世主

電車に乗り、戸上の家に向かう。夏休みだから私服の学生が多い。戸上の家の近くの公園でも小学生たちが遊んでいた。

「相変わらずでかい家だな…」

まあ目立つ。というより家に見えない。恐れ多いが門をくぐらせてもらう。

ピンポーン

「こんにちはー。」

「はい?」

「あ、」

中から出てきたのは、小学校高学年くらいの男の子だった。

「誰?」

「あ、俊介くんの友達ですけど。」

「へ、俊兄ちゃんの友達?」

頭からつま先までじろじろと見られた。

< 73 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop