体操座りと救世主
俺はそっとノートを閉じた。
「…ここの本全部読むん大変やし、参考にならんのやったら意味ないね!もしかしたらさ、意外なとこから答えが見つかったりするかもやし、いろんなとこ回ってみた方がいいかもな!事件は倉庫で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!…なんつって。」
戸上は驚いた顔をした。
「タケ、お前アクティブやなあ。」
「え?…へへへ。」
愛について調べれば調べるほどわからなくなる。光が見えてきたかと思うと、突然闇に突き落とされる。
戸上は何年もこんな気持ちを味わってきたのか。
俺の頭がもっと良かったらいいのにと思う。研究者とかだったら、もしかしたら良い答えを見いだせるかもしれない。
今から研究しても、俺の脳みそでは無理だ。戸上のタイムリミットに間に合わないだろう。