体操座りと救世主

俺はスウェットのまま、財布と鍵とケータイを持って部屋を出た。

「文太?」

父さんはまだ起きてテレビを見ていた。

「あ、父さん。ちょっと友達がやばいっぽいから行ってくる!」

「は?」

「いってきます!」

「ちょ!文太!?」

走って駅に向かい、ギリギリ電車に間に合った。

座席に座り、ふと冷静になる。

ヨネって、実家に帰ったんじゃなかったっけ夏休み間は実家にいるとか言ってなかった?

どうしよう。これ終電じゃん。

まあ仮にヨネがいなくてもファミレスとかで時間潰せばいいか。

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